ヤクザの豪邸の前でヤクザと対峙した話

今週のお題「今だから言えること」

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蜂矢が小学校低学年だった頃の話です。
お正月休みに、母方の叔父叔母従兄弟たちが
祖父母の家で集まって、亡き祖母のお墓参りに行く
という毎年の恒例行事がありました。

祖母の墓地は祖父母の家から
歩ける距離にあったので、
お正月料理で重くなった体を動かすために
散歩がてらにみんなでぞろぞろてくてく
向かうのも毎年のことでした。

従兄弟や叔父叔母と集まるのが
大好きだった蜂矢はテンションがあがったのか、
墓地の少し手前にあった
豪邸の前に差し掛かったその時、割と大きな声で



「ここってヤクザの家やんなぁ~‼??」

シーン…



誰も何も答えない。

今しがた楽しく話をしていた従兄弟の顔が
青ざめて強張っている。なぜだ。

振り返ると…ヤクザがいた。すぐそばにいた。
こちらをじっとみている。
インテリっぽく見えるヤクザ。メガネをかけている。
そして、豪邸の敷地内に
十人以上のヤクザが並んでいるのが見えた。

蜂矢は思った。

「こっ、殺される…」

Σ(゚ロ゚ノ)ノ

が、蜂矢は撃たれることもなく、
ボッコボコにされることもなく、
刺されることもなく、
スマキにされて川に浮かぶこともなかった。

インテリヤクザはにこっとして言った。

人差し指を唇にあてて
「しぃ~っ」と。

我ら一同は誰も何も話さず
全員青ざめたまま足早に立ち去った。

みんな、組長のお家に
年始のご挨拶に来てたんだね、きっと。
インテリヤクザはおそらく見た目年齢から判断して
若頭あたりだと思われ。

20年以上前の話!!
だけど、鮮明に記憶しています。
あのインテリヤクザ
果たして組長になれたのだろうか…?

以上、今だからネタにできた話でした。